コメントからつながる特許の世界 -Peer to Patent-

 
私たちの身のまわりの製品には数多くの特許が関係しており、その権利総数は約135万件。2009年には新たに19.3万件の特許が登録されました。

さて、特許として登録するかを審査する作業が、約1700人の審査官により、1件ずつ、年間延べ約50万件行われていることを御存知でしょうか。

ビジネスに大きな影響を及ぼす特許の審査も、限られた人員と時間制約の中で行われており、問題を含む特許も登録されているのが現状です。

Peer to Patentは、インターネット上で特許出願について議論した結果を、特許審査に提供し、より安定した特許権の成立を推進するプロジェクトであり、日米英韓豪の各国で、取り組みが行われています。
 
特許権は強力な権利であるため、特許の審査では、発明の内容に応じて「広すぎず/狭すぎない」範囲で、権利を認めることが重要です。

特許庁の審査官は、特許出願が特許庁に提出された日(出願日)よりも前に公開された文献をサーチすることで、既存の技術が含まれない範囲で権利を認めるよう、審査を進めています。

近年の情報・通信技術の拡大により、ソフトウェアのマニュアルや、インターネット上で公開された論文等、世の中に存在する情報は、審査官がサーチ可能な範囲を大きく超えてしまいました。

このような状況で、特許出願に関連した技術を理解できる人が(特許の文書を読めなくても)、関連する文献(論文・特許公報)や、ヒント(「○○先生の研究に関連」等)を、インターネットを通じて取りまとめ、役立てる取り組みが、Peer to Patentです。

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Peer to Patentの取り組みは、日本、米国、英国、豪州、韓国の各国で進められています。

米国
米国特許商標庁(USPTO)とニューヨーク大学ロースクール(NYLS)により、Peer to Patentの取り組みが進められています。1年目('07年;74件)、2年目('08年;152件)に続き、昨年10月より3年目が行われています(1000件/年を目標)。
英国
昨年11月にキャメロン首相が、Peer to Patentの英国での開始を発表しました。2011年中の開始が予定されています。
豪州
豪州特許庁(IP Australia)とクイーンズランド工科大学(QUT)により、2009年末より6ヶ月間のトライアルが行われました(31件)。
韓国
韓国特許庁(KIPO)により、2010年7月より3ヶ月間のトライアルが行われました(件数未公表)。

よくある質問
Q. Peer to Patent Japan(P2PJ)の運営主体はどこですか?
A. (財)知的財産研究所(知財研)です。

Q. 特許庁は、P2PJの取り組みに、どのように関与しているのか?
A. 特許庁はP2PJの取り組みに、直接関与していません。

Q. P2PJでのレビュー結果は、どのような形で審査に利用されるのですか? A. 知財研がP2PJでのレビュー結果を取りまとめ、情報提供制度を通じて特許庁に提出することで、特許審査において参照されます。

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運営主体(知財研)について